不動産取得税【課税対象・税額計算・控除・免税点】

不動産取得税の課税対象と税額計算

不動産取得税は、不動産所在地の都道府県が取得者に課する税金です。不動産が存在する都道府県に納める必要がありますが、言い換えるなら海外の不動産取得は無課税となります。

ここでいう不動産とは、住宅に限らない家屋と土地のことで、取得とは売買に限りません。取得とみなされるのは、「売買・交換・贈与・新築・改築・増築・特定遺贈」です。いずれも課税対象となりますが、登記の有無が関係ない点や改築の場合は価値の増加分のみという点は注意しておきましょう。

それと、業者が売るために住宅を新築した場合は、納めるべき買主があらわれないといけないため、「最初に使用された日」あるいは「譲渡された日」の所有者に課されるという例外がもうけられています。

しかし、いつまでも買い手がみつからないと税金を納めなくてもよくなってしまうため、「新築後1年経過しても使用・譲渡がない場合は、新築したものに課される」という、例外の例外がある点も注意です。

なお、相続によって不動産をえた場合は、不動産取得税ではなく相続税が課されます。

納付税額の基本的な計算方法は、税法の基本で説明したとおり、「課税標準×税率」です。不動産取得税の場合は取得にあたって支払った代金ではなく、固定資産台帳に登録されている登録価格(評価額)が課税標準になります。

たとえば、1億円で買った家でも登録価格が4000万円なら、標準税率は4000万円となるわけです。

土地を取得した場合でも支払った代金ではなく、登録価格を基に計算していきます。仮に土地と住宅をまとめて買った場合は、住宅の税金と土地の税金を別々に計算しないといけません。

各金額の合計が不動産取得税の納税額となります。

標準税率は4%ですが、ちょっとややこしくて特例で3%の時もあります。

僕が受験した時は3%だけ覚えておけばよかったのですが、3%は特例のため、今後も変わる可能性が高いです。なので、基本は4%を覚えておき、最新の参考書で3%があるかを確認しておいてください。

控除と免税点

控除というのは、簡単に言うと税額が安くなる措置です。とはいえ条件を満たせば勝手に安くしてくれるのではなく、自分たちで申告しないといけません。

不動産取得税の場合は、住宅取得の控除と宅地取得の特例が控除に該当します。

覚えておきたいのは、住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下の新築住宅を取得した場合、課税標準から1200万円控除できる点です。つまり、この条件を満たした場合は、税率をかける前に「課税標準-1200万円)の計算をしないといけません。

控除の条件は、もっと細かく色々ありますが、そこまで覚えなくても大丈夫なので、床面積と控除額をおさえておきましょう。

一方、宅地取得の場合は単純に課税標準が2分の1になります。控除がある場合の計算だけ忘れないように注意です。

なお、住宅の控除が土地に適用されたり、土地の控除が住宅に適用されたりはしません。控除条件を満たす住宅と土地をまとめて取得した場合は、控除を含めた住宅の税額と控除を含めた土地の税額をそれぞれ計算して、最後に合計する形で納税税額をもとめます。

免税点

免税点とは、お店ではなくて、非課税となる金額の限界です。控除は安くなっても税金を納めないといけませんが、免税点はその金額になるまでは納める必要がありません。

不動産取得税の免税点は以下で、暗記必須です。

・土地 → 10万円

・家屋 → 建築(新築・増改築)なら一戸につき23万円、それ以外(売買・交換・贈与)なら、一戸につき12万円

ようするに、標準課税が8万円とかの不動産を取得しても課税されないというわけです。

不動産取得税は税法の中ではとっつきやすい部分ですから、苦手な方は最初に学んでおくと今後の学習がすすみやすくなるかもしれません。