法令上の制限で学ぶ内容と学習をすすめる時のコツ

法令上の制限の概要と学習すべき法律

法令上の制限では各法律によってかかる土地利用の制限や決まりなどを学んでいきます。

ピンとこないかもしれませんが、たとえば家を建てる時の「この地域には住居用の家を建ててはいけない」といった地域の規制や「10m以上の建物を建ててはいけない」といった建築のルールを学習します。

全4分野の中でも取り組みにくさはワースト1で、初学者の方は苦労する分野です。

出題数はそれほど多くなく、民法や宅建業法よりは優先順位は下がりますので、他分野で法律の勉強に慣れてから挑戦すると学習もスムーズに進むと思います。

法令上の制限のチャート

宅建試験で主な出題範囲となるのは「都市計画法」「建築基準法」「国土利用計画法」「宅地造成等規制法」「農地法」「土地区画整理法」です。これらは学習必須の法律と考えておきましょう。

他に細かい法律として「文化財保護法」「自然公園法」「集落地域整備法」「生産緑地法」「河川法」などの内容が出題される可能性もあります。

ものすごく多くあるように感じますが、細かい法律に関しては深く学ぶ必要はなく出題されないケースも多いです。

出題内容がある程度決まっていますから、要点をおさえた学習を意識していきましょう。

得点目標は、8問中5~6点です。他の分野で高い得点を出せるならもう少し下げてもいいですが、確実に5点はとれるように学習をすすめておきたいです。

都市計画法と建築基準法は頻出問題で、2~3題余計に出題される可能性があります。優先して学んでおくと目標得点は取りやすくなるでしょう。

出題傾向を理解した試験対策

法令上の制限で触れられる法律の数は多いですが「宅地造成等規制法から1問」「土地区画整理法から1問」といった感じに出題されるケースも少なくなく、しっかりと対策できない受験生も多いようです。

1つ1つの法律に関して深く突っ込んだ内容を問われることは少ないので、一通りの理解をしておけば必要最低限の得点はとれます。

ですから「1問しか出ないからいいや」と何も対策しないのはもったいないです。

出題傾向がある程度決まっているのを逆手にとって、必要な部分だけに集中するのがこの分野の学習のポイントになります。

重要な法律のみをしっかりと学んで、不要な部分にまで手を出さないのが大切なのです。

また、本試験ではテキストや問題集で見たことがない内容が出題される可能性もあります。

十分に学習したにも関わらず、初見問題に遭遇した場合「その問題の難易度がやたらと高いだけ」というケースも考えられます。

このようなときは潔くその問題は捨ててしまいましょう。

過去問でも学んでいない、テキストにも載っていない問題を諦めるのは立派な試験対策です。

「高難易度の問題は他の受験者も対策できていないから、その1問で大きく差が開くことはない」このように考えておけば、余計な部分まで手を出さなくて済みます。

暗記項目をまとめておくのも学習のポイント

法令上の制限は他分野以上に暗記項目が多いです。専門用語をはじめ細かい数字の暗記も多く、覚えるのが苦手な方は苦労します。

裏を返せば、追い込み期間に暗記項目を一気におさえるのは効果的な学習方法です。

早々に暗記を済ませて直前期に忘れる心配がある方は、暗記だけで済む部分をまとめて覚えるのがいいでしょう。

また、法令上の制限に限った話ではないですが、宅建は基本的に「暗記項目」と「思考が必要な部分」を意識しながら学習をすすめていくと、難しい話も理解しやすくなります。

テキストの内容や過去問を丸暗記するだけではなく「どういう理屈か?」と常に考えながら学習をするのは全分野に共通する学習法です。

これを意識するだけでも理解力が変わってきますから、ぜひ日々の学習で気にしておきましょう。

それと、わずかながら計算問題が出題される可能性もあります。

計算そのものは小・中学校レベルで解ける問題ですからあまり神経質にならなくても大丈夫ですが、ド忘れにだけは注意しておきましょう。