各分野の出題数と難易度を整理して時間を決める
宅建試験は大きく4分野に分かれます。難易度は受験年度によって変わりますが、「民法が難しめ」「宅建業法は易しめ」といった基本は今後も変わらないと予想できます。各分野から出題される問題数も毎年同じで、こちらも大きくは変更されないはずです。
そのため、本試験に備えて各分野を「難易度の高さ」と「出題数の多さ」で分けて、各問題にどれだけ時間を使うかを事前に決めておくのがいいでしょう。
以下では、僕が試験直前期に本試験形式で勉強していた時と、本番でどのように時間を配分したかをお伝えします。
人によって得意、不得意がありますし各分野の理解度によっても変わりますが、時間配分が苦手な方や2時間では足りないと感じている方の参考になれば幸いです。
本試験での時間配分例
民法(権利関係問題)
・出題数 → 14問 ・時間の目安 → 30分
民法は暗記項目だけで解ける問題は基本的にありません。直感的に素早く解答できるケースは少なく、頭を使う問題も多く出題されます。なので、他の分野よりも1問あたりに使える時間を多く確保するのが大切です。
「問題数の割に時間がかかる」と認識しておきましょう。
宅建業法
・出題数 → 20問 ・時間の目安 → 30分
宅建業法は難易度が低いため各問題はサクサクと解いていきたいところです。ただし、問題数が多く得点源にもなる分野ですから、時間を気にしすぎて失点しては台無しです。満点を狙うことも難しくないので、多めにとっておくのがいいでしょう。
得意な人は20分でも十分いけます。
法令上の制限
・出題数 → 8問 ・時間の目安 → 20分
法令上の制限は暗記系を覚えていればすぐに解ける問題もそこそこあります。一方で、ド忘れしてしまい思わぬ問題に足止めをくらう可能性も否定できません。また、苦手な問題に時間をとられるケースもありえます。出題数が少ないため、民法や宅建業法ほど時間をとる必要はありませんが、余裕をもたせておくと安心です。
暗記項目が不十分で苦労するなら後回しが吉です。
その他の分野・税法
・出題数 → 8問 ・時間の目安 → 15分
その他の分野では、初見問題やそもそも言葉を学んでいない意味不明問題が出題される可能性もあります。考えるだけ時間の無駄ですから、知らない問題に貴重な試験時間をとられないように注意です。 冷静になれば解ける問題もあるため、他分野の状況によって配分を変えます。
法令上の制限とのバランスで臨機応変に対応しましょう。なお、税法を最初から捨てる場合は、時間を気にする必要はほとんどないです。
以上のように多めに時間をとっても30分は残ります。実際はもう少し短くとっても十分だと思いますが、年には念を入れておくといいでしょう。
わからない問題が出てきたときは、とにかく飛ばして次々に進んでいくのが余裕をもたせるコツです。 全問を一通り終えた後に飛ばした問題に戻れば、落ち着いて考えるだけの時間も残ります。
時間を均等に配分する必要はない
2時間の試験時間に対して全50問のため、計算上は1問あたり2分半以内に回答しなくてはいけないことになります。ですが、それぞれの分野に均等に時間をとる必要はまったくなく、問題数が多い宅建業法や、落としてはならない民法にできるだけ多くの時間を使っていきましょう。
全ての問題に同じ時間を使い全問頑張るのではなく、メリハリを持つのが大切です。
例えば、前半の1時間を宅建業法に30分、その他に30分という時間配分にするよりも、宅建業法に50分、その他10分といった配分にするほうが有意義になります。
20点とれて簡単なところに多くの時間を使うほうがいいと思いませんか?
仮に同じ時間を使って頑張っても、その他の分野は最大8点しかとることはできません。つまり、こういう時間の使い方は効率が悪いわけです。
時間配分が苦手な方や得点が伸び悩んでいる方は、思い切ってメリハリをもたせた時間配分をしてみてはいかがでしょうか。