統計問題で1点とるための2つの対策

統計問題は事前に対策できない?

統計問題は出題数も少ないため、主な得点源とはなりません。しかし、直前になって丸暗記しておくだけでも解けてしまう問題ばかりですから、念のためおさえておくのが吉です。

本試験までにどうやって統計問題対策をしておくか?ですが、「統計問題は事前に参考書でカバーしておくのは不可能」という点を最初に覚えておきましょう。

問題として出てくる各種資料の公表時期には違いがあります。

たとえば、地価公示なら3月、土地白書なら6月といった具合です。ですから、基本的には受験年度に対応した参考書でも、その年の正確なデータが掲載されていることはありません。そうした理由から、参考書だけで出題される可能性のある統計データをおさえておくのは不可能なんです。

では、どうすればいいのか?というと、主な対策は2つあります。

本試験までにできる2つの対策

統計問題対策1つ目は過去問で出題傾向や出題パターンを把握しておくことです。「具体的な数値の暗記が必要なのか?」「どういった資料から出題されるのか?」こういった点を過去問を解きながら把握していきます。

参照されやすい資料は、「地価公示」「土地白書」「建築着工統計」「国土交通白書」「住宅・土地統計調査」「法人企業統計調査」です。これらのデータについて、正誤を選ばせる問題が多いので、出題パターンを確認しておくといいでしょう。

当然ですが、各種数値は毎年変わります。ですから、過去問でどの資料が使われるかだけわかっても意味がありません。

そこで、2つ目の対策が必要になってきます。

2つ目の対策は、試験直前期になって、正確なデータが公表されてから丸暗記することです。「地価公示・土地白書・建築着工統計・国土交通白書」は国土交通省、「住宅・土地統計調査」は総務省、そして「法人企業統計調査」は財務省が公表してくれるので、それを確認しておきましょう。

この時、資料の細かい数値を見る必要はないです。「統計問題対策に全部の数値を暗記しておくべき」なんて説明しているところもありますが、そんなことをする必要はありません。なぜなら、宅建で出題される統計問題は、細かい数値の違いがわからなくても解ける問題ばかりだからです。

たとえば、以下の問題を見てください。

平成20年度国土交通白書(平成21年4月公表)によれば、平成20年3月末現在の宅地建物取引業者数は約14万人となっており、前年度に比べわずかながら増加した。
(平成21年第48問過去問題、選択肢(3)より抜粋)

平成20年度3月末の宅建業者数は13万人ですから、前年度よりも減少しています。つまり、上記の選択肢は誤りです。

この選択肢は宅建業者の数を正確に覚えていれば誤りとわかりますが、出題数の少ない統計問題で全ての数値を覚えるのは効率が悪くなります。

そこで、国土交通白書のデータを確認した時には、「今年はどうなったか?」といった点だけ確認するのがオススメです。今の選択肢で言うなら、13万人という数字を覚えるのではなく、去年と比べて減少したという点だけおさえます。

数年分のデータがあるため、1年前との比較はもちろん、「ずっと減少している・ずっと増加している」こうした点も確認可能です。「ずっと減少だ」「ずっと増加だ」こうした言葉が使われる問題も多いですから、これをおさえておけば数字の違いがわからなくても正解を導けます。

僕の場合は試験直前の10月に入ってから、「地価公示の変動率は落ちた」「不動産の経営利益は増加した」という感じで暗記してました。

細かい数字を知るに越したことはないですが、こんな覚え方でも問題を解くのには困りません。それに、そもそも出題されないケースもあるので、こうした暗記方法はオススメです。

各資料で優先的に見ておきたいポイント

最後に、各資料で重点的におさえておきたいポイントをまとめておきます。

・地価公示 → 地価変動率

・土地白書 → 土地売買による所有権移転登記の件数、宅地供給量

・建築着工統計 → 新築住宅着工戸数

・国土交通白書 → 宅建業者の数

・住宅・土地統計調査 → 持家住宅率、空家率

・法人企業統計調査 → 不動産業の経営利益、売上高

他にも、「着工新設住宅の1戸あたり全国の平均床面積」や「不動産業の借入金比率」など、各資料には色々なデータがありますが、上記の項目を優先的に覚えておくのがいいでしょう。

先ほどお伝えした通り、細かい数字よりも「去年と比べて今年はどうだった?」「減少続き?増加続き?」といった点を覚えておくことが大切です。

試験開始前の30分程度の間に確認して、それが出題されるラッキーが起こればそれだけで1点とれる可能性もあるので、覚えるべきポイントを把握しておきましょう。

以上、統計問題対策に困っている方の参考になれば幸いです。