暗記必須の用途地域・補助的地域地区一覧と地区計画のポイント

用途地域の種類と利用目的

都市計画区域内は線引きによって市街化区域と市街化調整区域、非線引区域に分かれますが、これだけでは具体的な土地の利用目的が定まりません。

そこで「この地域はこういう用途で使おう」と、より計画的に利用する目的で、市街化区域に用途地域を定めます。用途地域は市街化区域では必ず定めるもので、市街化をおさえる市街化調整区域では定めません。

また、準都市計画区域と非線引区域でも用途地域を定めることはできます。

定められた用途地域は目的別に12種類に分類されますが、その種類と目的を暗記しないといけません。以下、暗記必須項目です。


用途地域の種類と目的 ※()内が利用目的

・住居系
①第一種低層住居専用地域 (低層住宅の良好な環境保護)
②第二種低層住居専用地域 (主に低層住宅の良好な環境保護)
③第一種中高層住居専用地域 (中高層住宅の良好な環境保護)
④第二種中高層住居専用地域 (主に中高層住宅の良好な環境保護)
⑤第一種住居地域 (住居の環境保護)
⑥第二種住居地域 (主に住居の環境保護)
⑦準住居地域 (道路沿いの業務利便と住居の環境保護)

・商業系
⑧近隣商業地域 (日用品の供給など、近隣住民への利便を増進)
⑨商業地域 (主に商業の利便を増進)

・工業系
⑩準工業地域 (主に環境を悪化しない工業の利便を増進)
⑪工業地域 (主に工業の利便を増進)
⑫工業専用地域 (工業の利便を増進)

なお、用途地域の種類と目的だけを覚えていても得点するのは厳しいです。というのも、上記項目が頭に入っている前提で話がすすむ、用途規制が建築基準法で出てくるからです。

なので、用途地域の種類は基本のつもりでしっかりと覚えておくようにしましょう。

補助的地域地区の種類と目的

用途地域を補う形でさらに細かく分けられるのが地域地区です。たとえば、商業地域として定められた地域のさらに一部分を商業専用地域として定めます。

用途地域外でも定めることができますが、補助的地域地区の種類によっては定められないものもあれば、用途地域でも定められないものもあります。

補助的地域地区の種類は全部で9種類で、目的とあわせて暗記必須です。


補助的地域地区の種類と目的 ※()内が利用目的

①特別用途地域 (土地利用の増進など、特別の目的のために定める)
②高度地区 (建物の高さの最高・最低を定める)
③高度利用地区 (建ぺい率の最高限度、容積率の最高・最低限度、建築面積の最低限度、壁面の位置の制限を定める)
④高層住居誘導地区 (容積率制限が10分の40、10分の50に定められた地域に定める)

上記は用途地域内でしか定められません。いずれも用途地域を補完する形で指定されるものだからです。

⑤特定街区 (建物の高さの最高限度などを定める)
⑥景観地区 (市街地の良好な街なみを形成・維持する)
⑦風池地区 (自然美を維持するため、地方公共団体の条例で建築や伐採を制限する)
⑧特定用途制限地域 (特定の用途を制限する。用途地域や市街化調整区域には定めない)

あと一つ、防火・準防火地域がありますが、これは建築基準法の範囲になります。現時点では名前を頭の片隅にとどめておくだけでも十分でしょう。

用途地域や補助的地域地区の話は一度で理解しようとすると骨が折れます。後々学習する部分とも関わってくる内容なので、必要な時になったら何度もテキストのページを戻して確認しながら徐々に知識を蓄えていくのがオススメです。

地区計画のポイント

地区計画とは、小規模な地区単位で地域の特性にあった小さな街づくりを行う計画のことです。それぞれの区域の特性にふさわしい街を作るため、最初に目標や方針を定めていきます。

ただ、目標や方針だけ決まっても具体的な方法を決めないといけません。そこで、原則として地区整備計画で道路や公園などの整備について定めるようになっています。

地区計画は用途地域が定められている区域ならどこでも定めることができますが、準都市計画区域では定めることができません。

また、地区整備計画を定められた地区計画区域内で建物を建てる場合には、行為着手30日前までに市町村長に届出ないといけません。これは建物だけでなく、土地の区画形質の場合も同様です。

地域地区はそれほど難しくありませんが、市町村長への届出という点は他の話と混合しないように注意しましょう。